1.東京大学応援部物語
(最相葉月著・講談社)
お薦め度 ★★★★

 
 

人間のタイプをどうわけるか? 私は熱さを基準にしてわけることがけっこう多い。この場合の熱さはひたむきさや情熱のこと。

理屈抜きに何かに夢中になったり、他のことは目にはいらないでそれにどっぷりつかったり・・・。夢中になる対象はいろいろあるだろうけど、そういう「熱さ」が好きだ。

自分の人生のなかで一度でも「熱く」なった経験をもつ人間は「熱さ」を感じるものにであうと、心にぐっとくることが多いと思う。現に私はそうだ。

もちろんその「熱さ」にたいして妙に冷静になって、距離を保ってしまうこともある。

でもよくよく考えてみれば、それ以外に私は熱くなれるものをもっていった。だから熱くなることがバカらしくなってやめたのではなく、ただ単に矛先をかえただけだった。

そこで私を夢中にさせつづけたのは人間関係の濃さだった。

あるイベント開催のとき、上にたった先輩のあまりのふがいなさにむかついた。むかついていたのは同級生も同じだった。直接話してもらちがあかない。そこで、もっと上の先輩に相談した。

「やめたきゃやめたら? やっていることも途中で放り出していい。でもあなたはそれだけの人間だということだからね」

かなしいかな、良くも悪くも、こんなことをいわれると途中で放り出すことができないのが熱い人間である。

ここでえたつながりは卒業後も続いている。

「東京大学応援部物語」を読んでいて、昔、体験した熱さ、ひたむきさ、人とのつながり、ふがいなさ・・・といったものを思い出した。そして熱くなっていた自分を思い出した。胸があつくなった。他人がどういおうと彼らはひたむきでありつづけている。ありきたりの言葉だけど、かっこいい。

そしてやめたいと思うことがあっても、やめない理由に、「先輩とのつながりを失うことがこわい」というのもうなずける。

最近、ひたむきさや熱さをかっこわるいと考える風潮にあると感じている。スポーツの試合をみててもそう思うことが多い。某国の選手たちからはひたむきさを感じるのに、なんで日本の選手からは感じないのか? 自分が熱さを経験し、また熱い人間だからなおさらそれを感じてしまうんだろうな。

「熱くなる人は冷静ではない」という人もいるだろう。でも私は熱さと冷静さは両立するものだと思ってる。熱いからこそ、冷静であることの大切さを理解できるんじゃないかと。現に、この本に登場する彼らは熱くありつつも、冷静だ。やっかいなのは熱さにひたりつつも、東大生であるがゆえに、現状を普通の人より冷静に分析しようとすることだ。そのギャップがまたおもしろい。

冷静さは成長するにつれ、また訓練次第で身に付けられると思う。でも熱さはそうではない。熱さはやっぱりかっこいい。のめりこんでのめりこんで・・・何かを学んでる。熱い人間に惚れずにはいられない。(2004年5月15日)

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